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キングはにんじんを食べるか

  • 2009-09-04 (金) 11:17
  • movie

夏も終わりかけになってから見てきました、サマーウォーズ。先日エヴァを(1X年ぶりに)見て懐かしさとともに心底感動しまして、日本はアニメだねと、劇場版MWで絶望した心が蘇りまして、じゃあもうサマーウォーズは見とくしかない。そもそもネットでも評価が高かったし、プチオンリーとかもあるくらいだし、期待に胸も膨らみます。そしてまったく期待を裏切らない素晴らしい映画でした! 以下ネタバレあるので続きで。

技術的なリアリティ

エヴァもなんですけど、細かい点を除けば技術的に無理がなさそうに見えるのがまずすごいと思います。なんかリアリティがある。劇場版MWみたいな、特定人物を顔認識するでもなくカメラが自動追尾したりとか、銀行員のPC画面がおそろしく豪華なGUIだったりとか、時代設定が現代であるにも関わらず「無茶な」あるいは「無駄に万能な」技術が登場するのって、やっぱしちょっと冷めるのです。

その点サマーウォーズは、各種SNSやセカンドライフみたいな仮想空間やMMORPGが加速度的に成長したらまあOZみたいにもなるよねとか、アバターたちが異常にリアルに動いてるのも「バーチャルリアリティの中の映像を想像した誰かの頭の中の画面」として見るとすごく納得感がある。実際にカジノをキャッシュレス化してネットワーク対応させる、とかいう実験もあったはずなので、AIのディーラーと対決なんてのは余裕でありえるし、キャッシュレス化というのもけっこう面白くて賭け金が必ずしも現実の通貨と同等の価値観を持たない可能性がある、つまりなんというか、「現金」が持ってるようなリアリティはむしろ失われてよくて、アホみたいな高額配当もありえるし、国を賭けてとか世界を賭けてとか、コンピュータだらけのカジノでアバターじゃない現実の人間が言い出してもおかしくない、と個人的には思います。

まあね、SF的な要素に納得できるかどうかなんて個人差すごい大きい話だと思うけど……ゆえに私にはすごく「ありえる近未来」に思えたんですけど。だってラブマシーンのような「好奇心を持った」AIを開発するとしたらって考えるとさ、設計がすぐ浮かぶわけじゃないけど、セル・オートマトンとかライフゲームとかみたいに、自分のメモリ領域を無限増幅させる何か、とか、それをMMORPGの基幹プログラムに埋める感じかな、みたいな、想像の余地が余裕であってですね、既にリアリティ関係なく楽しいし!! (楽しいけど、私はこういう再帰的な論理モデルがものすごく苦手だから途中でこんがらがる)

あとチャット画面とかがTwitterクライアントっぽいのも「いいねいいね」って感じだったり。パンフレット読んでみたら、監督の言ってることがすごくよく分かるというか、「昔はSFものには聞けばなんでも答えてくれる天才博士の存在がわりと必須だったけど、現代の人たちは分からないことがあったらまずインターネットで調べるでしょう?」という、その感覚が鋭いと思う。そういう発想から「敵=AI」になったからこその、説得力があったんだなと思って。

そんな感じで、リアリティあるのかないのかというより、「ありえなくないしあったら面白い」とその先を追究したいと思わせられるかどうかなんかな。そういう意味でエヴァもサマーウォーズも夏の二大アニメはきちんとツボを押さえてた!

キャラ萌えもある!

私がどのキャラを好きかといったらそりゃもうキングカズマですよ。(アバターのほう)オープニングのとこでちょっと出てくるじゃないですか、あの立ち姿でキュンと来てしまいまして、普段だったらありえない方向性なんだけど、なんかあの音楽と一緒にジャーンて出てくる「KING」の文字列に私は惚れたんだ!! 現実の佳主馬くんも全然好みですが、声の谷村美月が……あの声がなぜかどうしても受け入れがたい、最後まで私は佳主馬って実は女の子なのかなと思ってました。本気で長男らしいけど。うーんやっぱりぜひとも声優さんにやってほしかったな佳主馬……だけじゃなく全キャラ。

さてキングはキングで大好きですが、侘助さんも好き。あの性格と顔で41歳というプロフィールに、むしろプロフィールにドキドキが止まらない。せいぜい30歳くらいかと思ってたのに。41歳がばあちゃんばあちゃんって嬉しそうにさあ、叱られたら拗ねて出てったり、ナツキのような小娘でさえうまいこと煙に巻いてるようで巻けていない(パスワードばれてる)。あんなかわいい41歳いていいんですか、かわいさが犯罪級ですか。そして侘助さんを幸せにできる人材が陣内家にはいないという。サーチまわったら健二が絡んでくるのが予想通り多かったのですが、健二じゃ侘助さんは手に余るだろう、というか健二は一人っ子なのに“健二”なの?

そうなってくるとカズマ様が侘助さんを、とか考えないでもないんですが、これもちょっと無理があるというか、カズマもカズマで似たような性格してるからな……侘助よりはしっかりしてるけど。感情表現も素直だけどさ。というわけで萌えはするけど全然カップリングとかに出来ないとっちらかった状態であります。健二はもう佐久間と付き合えばいいと思います。ただしアバターに関していえばキング×仮ケンジがすごい好きなんですけど。ビジュアル的に。キングってウサギさんだからにんじん食べるのかなあ……鼻血出そう。あーそうか侘助さんと同年代なら自衛隊の理一さんがいるな。(結婚してるけど)←間違えた、独身だわあの人。でも理一さんかっこよすぎて怖い。

強固で安心感のあるストーリー

うちの弟などは「若者が昔はよかった感出すの醜悪」とかひねくれたことを言ってましたが、陣内家は「古き良き日本」とは違う、単なる大家族っつーか。しかもあの人たち大人数でずっと同じ家で暮らしてるわけじゃないし、単に非日常なんですよね、非日常のちょっとした戦争、サマーウォーズ。しかももう、見始めた時点から敵は明らかで、絶対に陣内家が勝つって分かってるウォーゲームなわけです、その安心感があってなお、引き込まれる脚本に仕上がってる、もはや「100%オリジナルの」物語なんてそう生まれないのですから、あわせ技もひとつのストーリーテリング、あの完成度なら私はすごく好き。

しかも私、なんか分からんけど泣きまくりだったよー。おばあちゃんのかっこよさでまず泣いて(電話かけまくって「あんたならできる」って言うシーン)、次にラブマシーンを最初に追い詰めるとこ(城のかたちをしたスパコンに誘い込むところ)でまた泣き、その後わりかし泣きっぱなしではあったんだけど、最後のこいこいでは危うく画面が見えなくなるところでした。まあ最近精神的に落ち込んでたことも関係してるけど。年とるほどに涙もろくなるのであった。

それでなんか、示唆を得たように思ったのは、エネルギーの連鎖と爆発というか、「ナツキ、ぼくのアカウント預けます」のあの連鎖の中に確実に観客も巻き込まれてて、あの瞬間みんな自分のアカウントをナツキに預けてるんだと思うんですよね(ナツキが嫌いでなければ)、それが映像で視覚的にばばばっと、地球規模にまで引いてくカメラワークで鳥肌たつっていうか、映画の醍醐味ですよねああいう派手さ、そしてみんながナツキの勝利を確信しながらも祈ってる、そこにちゃんとタメもあって、心の準備ができたところで一番大きな爆発が起こる、繋がり・連鎖・エネルギー・タメ・爆発・勝利+音響、という、まるで少年まんがの典型のような、本当に見事な演出だと思います。

ただあのタイミングでジョンとヨーコがアイテムを携えて出てくるなら、もっと前にジョンとヨーコでAIを排斥できなかったのか、とか一瞬思ったけど。いや、あの、野暮なツッコミでした。

まとめると

いやーもう実に素晴らしいというか好きな感じの映画だった。エヴァは懐かしすぎて泣きまくりになるし、なんかあのBGMもう聴いただけで胸が痛いからもう一回見に行ったら心臓止まりそうだとか思って次はBDで、と決意したんですけど、サマーウォーズは何回でも劇場で見たいなあ。公開してだいぶ経つのにまだ満席近く人が入ってて、多分私と同じように何回目かの人も少なくないんだと思う。(あとリアル高校生が見に来ててたまたま隣が高校生の男の子だったのでボロ泣きしてるのがクソ恥ずかしかったです。彼らはとくに感動している様子なかった)

時かけは「おじさんの願望のようなものが後ろに透けて見える気がして辛い」という残念な感想を抱いた私だけども、サマーウォーズはフェティシズムをギャグで片付けるくらいにはサッパリしててほんと気持ちよく見られる、ここんとこではもっとも良く出来た映画ではないかと思います。マッドハウスもさすがです。CGの技術半端ない。深い歴史をうかがわせる。というかもうマッドハウス行きてぇよーうわーん。

なんとなく流れで気が向いたので「ぼくの地球を守って」を読み始めました。読んでないのが恥ずかしかったんだ。それについてはまた次回。

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