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命ある限りMW映画版にはツッコミ続ける

  • 2009-08-09 (日) 23:13
  • movie

MWパンフレット

ちょっと前にこれは見なければと思ったので見てきました。映画版MW。公開終了間近だったから一人で見に行ったんですけど、一人で正解だったと思います。あまりのつまんなさにフリースタイルでニヤニヤしまくったわ! というわけで、レビューします。こき下ろしまくり+ネタバレしまくりなので、映画版もお気に入りという方や前情報なしで見たい方はご注意。ついでに映画自体がPG-12ですから、お子様もご注意。

ともかくティクビ映画である

レビュー久しぶりで緊張する。まあどうでもいいけど私、見る直前に一人でしこたまビールなど飲んでいた(ワンコインで地ビール飲めるっていうからついさ……)ため、オープニング始まる前に二回、どうでもいいシーンで一回尿意に襲われて席を立っています。映画の前にビールは二度と飲むまいって思いました。

さて、で、オープニングなんですけど。島民がすげー惨殺されます。原作どおりかな、と思ったけど、原作は神経ガスのみの異様なシーンなのに、映画版オープニングは火器も出ます。火炎放射器です。この時点で既に「これはアカン……」ていう予感がぷんぷんしたんですが、続けて見ておりますと、軍隊に引きずられていく島民(エキストラ)のティクビが、なんかすげー立ってる!! 私すごく気になりました。誰もそんなとこチェックしてねーよって? そうだろうなあ……。

しばらく見てると、神父役の山○孝之(伏字……)が登場するわけですが、たかゆき、すげー鍛えてるのね、鍛えてるから、胸筋の盛り上がりが半端ない。その半端なき活火山の頂点に君臨するティクビがね、これまた超分かります。お前某隊長か、っていうくらいでした。私すごく気になりました。

神父さんしっかり

原作の賀来神父といえば、名前は巌、がっしりした男くさい体躯の小心者です。(言い切った)しかしながら映画版は山○孝之、なんかまあ、意図は分かるつもりでいました。若い子受けとかね、見た目的なとこも狙っていかないと映画も食っていけねーじゃん。

でも、明らかに製作者の意図が分からない描写。それが、両手のひらを合わせて祈る神父、です。つまり合掌。合掌は仏教だろ!? 違うの!??

ということでちょっと調べてみたところ、キリスト教で合掌もなくはないそうです。知らんかった……ただまあ絵的にキリスト教では手を組み合わせるのが「祈り」の表現として伝わりやすいかなと思われるので、やっぱりちょっと不思議ですね。意図があって合掌としたなら、その説明は欲しかったなあ……十字架とかのモチーフはこれでもかと出してくるわりに変な感じです。

あと、あんまり関係ないですけど山○孝之、インタビューとかで「結城役が楽しそうで羨ましい」「男ならカラスみたいな黒服が一番でしょ」とか色々面白いこと言いすぎです。もうあの胸筋といい頭の悪そうな点といい、なんというか確かに山○孝之が結城でもよかったんじゃ、と思わなくはないです。

無駄なアクションシーンが多すぎる

わりと真面目に批判しますと、前半のカーチェイス要らんやろ!! カーチェイスっていうか、カーが追ってるのはトレインなので別にカーチェイスでもなんでもないわけですけど、派手さを出すためなのかなんなのか、追っかけっこしすぎ。結城は最強の悪役で、あんなことしても絶対に捕まらない、しかも手口すら闇に葬られる的なのが似合うと思っていたのに、単純明快なアクション映画になってしまっていて大変残念でした。

つーかそれなら全編アクションだけで貫けばいいのに、変に人情的なシーンも絡んでくるし、わけが分かりません。あれは玉○宏に白いスーツを着せたかっただけだろ!

似合ってましたけどね、白いスーツ。私、玉○宏は男前過ぎて逆に苦手なんですよ、なんですけど、あの変態くさい黒のノースリーブからのぞく上腕筋ね、あれだけは国宝だと思ったわ。あの上腕筋が怒りとか屈辱に震える方向でいってほしかったですよね、アクションというのなら。だって巨乳は出てきたら揺れるじゃん、美しい筋肉もそうであってほしい。

いっこだけ萌えたPG-12シーン

暴力描写は多いんでPG-12なのは分かるんだけど、ぬるいですよ。原作の胸が悪くなるようなシーンを想像してると肩透かし。ただし、いっこだけ私のハートを萌えさせる描写がありまして、それがですね、新米刑事が蜘蛛の巣にかかったみたいな形で拘束されて吊られてて、口も皮の拘束具で覆われてるのね、それを見つけた山○孝之が慌てて口から皮のそれを外すと、どういう仕組みか新米刑事の頚動脈が切れて、ぴゅーぴゅー血が噴き出すんですよね、それ見た山○孝之が泣きながら一生懸命頚動脈をおさえて血を止めようとするんだけど、血まみれになるばかりで新米刑事が事切れる。

という、この一連のシークエンスは最高だったよ!! もはやMW全然関係ねーけどな!!

あれが萌えるというのを、監督が見越してたんだとすると監督を見直さないわけにはいかないくらいです。しかし「それを外すと血管が切れるように細工した」ってツッコミどころありすぎだよ。バネと刃ですかね。ありえなくはないか。そのあと登場した玉○宏とか、山○孝之が死体を引きずるとことか、全部どうでもよくなるくらいキュンとくる萌えシーンではありました。

他はPG-12ってどこら辺だったんだろう……銃で頭ぶち抜いてるのも別にグロくはなかったし、石田ゆり子もきれいに死んでたし、悪が滅びないってあたりかな。

ストーリーは原作と120%別物

分かってたけど呆れるほど別物でしたよ。なんといっても、性的なシーンがゼロ。完全に影もかたちもありません。手塚治虫の「MW」といったらもう性倒錯も含めて悪すぎるエンターテイメントに化けてるじゃないですか、そういうのが一切ない。あれはMWじゃありません。モウとかムフとかです。

ここまで性的な要素をそぎ落とされてると、なんか監督童貞なんじゃないの、と疑わざるをえないです。いやセクハラ的な意味じゃなくて、精神的にというか、性をエンターテイメントだと思えない程度にはピュアなんだろうというか。それは別に悪いことじゃない、責めようと思ってるわけじゃ全然ないんですけど、そういう場合はMWを選んじゃだめでしょ、もっとあったでしょ単にダークなだけならほかにもいっぱい。

ユーキミチオは性的にも悪魔であって、神父さんはその悪魔に翻弄されて性と生すべてを失う、それでもまだ滅びない完璧な悪、みたいのがMWというか私が思うMW。

映画はねー……一回神父さんが海に落ちたときさ、結城が「玩具を落とした」って言い方するんですよね、玩具じゃねーだろと。原作でも口頭でそう表現するシーンはあったかもしれんけど、結城は賀来が「神父」であることに自らの枷を見出しているというか、そういう感じですからね、玩具とは思ってないですよという。口とは裏腹、という表現ならあれは短すぎる。

ぶっちゃけ「一回海に落ちた神父さんが実は生きててまた海に落ちる」っていうのがクライマックスなんだけど、あんまりだろ、それ。むしろ笑ったわ!!

パンフレットより「直接描写はありませんが……」

と、このように映画だけを見たのち色々悔しがった私ですが、パンフレット読んでびっくりですよ、「結城と賀来のあいだには肉体関係がありますから、それを意識して演じてください」と監督が言ってたり、「直接描かなかった分、濃厚な愛になってるかも」「視線を追うと分かるようになってますよ」「同性愛は表現したつもりです」という。

えええ!?

同性愛表現に造詣が深い(と敢えて言っときます)この私がだよ、全然そんなの感じなかったですよ。一緒に死んでくれだのなんだの言うシーンとか、神父さんが包丁を握り締めて結城を見つめるシーンとかも、苦悩は分かるけど「肉体関係を含む愛」かというと無理があります。そんなんよっぽど少年ジャンプとかのが感じるわ、愛

という、すごく残念です。ひとコマでもいいからベッドシーン描けばよかったじゃん。なんか「キスシーンも描いたけど同性愛ではない」と言い切った伝説の韓国萌え映画「王の男」とは真逆の出来ですよね。つかもう何度も言ってるけど結城は性の覇者だからね!! 女ともある意味犬とも交接するじゃん、それが神父さんにだけはネコになるってのがさあ、ああもうそういうとこがさあ……!! だから単純に同性愛なだけじゃだめなんだって、それだけじゃ怖くないじゃん。というか別に賀来も結城も最初からホモじゃないじゃん。愛というなら愛だけは人間愛で、でも間違って肉体も結びついちゃって嫌々なのに離れられないってのがキモじゃんよー!!

悔しがる私です。さらにパンフレットにはこんなことも書いてある。

「この映画はMWと結城と賀来の三角関係なんです。賀来は結城を好きなのに、結城はMWを好き。最後に賀来は結城の好きなオンナを奪って死ぬ」

馬鹿も大概にしろやーーーーー!!!!

100%勘違いだと思いますし、その解釈でよく手塚プロがOKしたなと。スタッフが参考にした映画が8割がた「24」だって言ってるし、その時点で期待はしてませんでしたけどまさかここまでとは……。

手塚先生は笑って見てそう

手塚先生は天国で怒ってるんじゃないかな、と一瞬思ったんですけど、違うね、絶対笑ってらっしゃると思います。「ふはは、おれの漫画のが100倍おもしれーよそう簡単に映画なんかになってたまるかバーカ」って。そうならいいなあ……。

ここまで解釈違うと、逆に笑うしかない。

クライマックスもわけが分からない

これは純粋にツッコミですけど、原作のラストで賀来は、飛行機の中には民間人もいるし確実に自分が背負って死ぬしかないと判断した感じで、あと付け加えるなら結城との関係に心底疲れてMWごと自殺したんですけど、映画版そこまでのモチベーションあった? あの状況だったらまあMWだけ機外に落とせば済んだんじゃないでしょうか。どのみちMWが消えたらあの飛行機は軍の戦闘機で撃墜されるんじゃん、MWより危険な結城と共に確実にこの世から消えたいと思ったなら、MWだけ捨てて自分は結城を抱きしめるとかして撃たせれば確実だったと思うんですよ。

そうでないなら、せめて結城を泣かせるべきだったというか。というかもう、原作は結城が実は生きてるのもすごくスムーズに表現されてるし、生き残った結城の目的がまったく分からないぶんより不気味でぞっとするラストなんだけど、なんだ映画版、なんで飛行機がきれいに爆発したのに生きてんの? そんで、何で賀来死んだのに全然スタンス変わってないの?

ツッコミもさすがに疲れました

ティクビとか頚動脈くらいしか楽しみどころがなかったといえばそれまでですが、この、「異常につまんないものを見た」と胸を張って言えるのでその点ではまあ劇場で見ておいてよかったと思います。お前アホか、と思われたら見ないほうがいいと思います。期待してなかった私ですらこうですから、期待があるなら言わずもがな。

参考までにつまんなさで言うと、「SHINOBI」並ですよね。まだ「ハチミツとクローバー」映画版とか「ピューと吹く!ジャガー THE MOVIE(レビューもあるよ)」のが面白いです。それでいくと「NANA」一作目なんか神っすよ。

というわけでまたしても地ビールを飲みつつ尿を出しつつレビューでした。

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