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ジャンプ連載作品のコミック第一巻は迷わず即買うべき
とあるオンリーイベントが終わり、真の意味で夏が終わったと若干へこんでいるmatonoです。近ごろ尸良と練造で検索してくる人多いけど、もしかして同士(女子)なのか? だとしたら沙村が真の意味で女性ファンをゲットしつつあるんですね。やばい涙がこぼれそうだよ。いや昔から女性にもちゃんと人気あったと思うけど。オタク波がぶわっときたのは初めてではないでしょうか。
(だって作者も美形と意識して描いているのであろう天津様は女剣士に夢中だし、中井が声をあててるやんちゃなチビ凶さんは妹属性だし、今までの尸良さんはあんなだったので、本当に女性向け的な要素は皆無だったのだ。ちなみになぜ私がこれをずっと読んでたのか、それはもう私がサブカル野郎だからに他ならない、オタク女子として楽しんでいたわけでは全然ない)
なお沙村先生の現実的な女性の好みは、エロティクスf のインタビューからするに、「ガリガリに痩せ細ってて貧乳で不健康そうなヤニくさい年上」という非常に具体的かつ希少なものだったと思うので、増え始めた女性ファンの中にそんな方がいらっしゃることを願ってやみません。ご本人も「病気だ」って書いてたたけどな。かく言う私などはちょっと前まで年上以外全網羅してたんですが、そのうえ一度は会ってみたい漫画家第一位が常に沙村だったわけですが、うっかり禁煙したしビール中毒気味で最近ちょっとプヨりつつあるので、太陽系から離れていく彗星のごとく沙村先生のストライクゾーンから遠ざかっていってます。無念である。
検索といえば、実際検索ワード一位は今なお「ぬらりひょんの孫 エロ」なのですが、本当に申し訳ない、私、別にそういうつもりじゃ……ごめんなさいごめんなさい。リクオ様は確かにエロいですし、牛鬼の人生なんてもう言語道断レベルのエロさですよね、あと首無しもアクロバティックなエロ要員ですし(しかし残念ながら首無しはそれ以上でも以下でもない)、河童はモロにショタですし、そう、つまり「エロ」といってもBL的な意味で言ってますので、多分積極的に成人向けを探しているのであろう男性陣には大変申し訳ない。サーパラで再チャレンジしてください。私にできるのは誘導くらいだ……。
そうそう、ぬら孫のコミック1巻購入を迷っている方は、買っといたほうがいいですよ、というのをずっと言いたかったのでした。ぬら孫に限らず、
「人気が出るか出ないか微妙なとこにいるけど気になるジャンプ連載作品のコミック第一巻は迷わず即買うべき」
というのが私の持論なんですね。なぜなら、以下二点のような理由で。
- 初版の発行部数がかなり少なめに抑えられている
- つまり書店ですぐに完売してしまい、いざ買おうとしたときにはなくなっている可能性が高い
- 大抵人気が出始めるのは書店からなくなった後
- というか、書店からなくなる=人気が出始めたと見なされる
- 出版されてから日が浅いジャンプコミックは、古本屋でもそこそこの値段で買い取ってくれる
- 初版の売れ行きで今後の連載の目処がたつかも
- これはあまり自信がないのですが、人気投票が行われる前の作品の場合、読者ハガキと同様に人気のバロメータとなるのが初版の売れ行きだと思ってるのです。「ちょっと気になるマンガ」がすぐ打ち切られるのは悲しいので、買っておくべき、という単純な理由。
さて、キリのいいとこで最近のジャンプについて語ります。基本、ネタバレありだ。
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今月のアフタヌーンショック-2008年10月号
- 2008-09-02 (火)
- comic
いくつかの驚きについて語りたいと思いますが、一部ネタバレを含むので、以下の部分を読んでOKだという方だけ続きを読んでください。アフタヌーン購読を再開したので、もうせっかくだから読んでるやつだけレビューとかしようという魂胆。
- 「尸良と練造と私」、さらにすごいことになってた
- おお振りでものすごいネタフリに心臓が軽く爆発した
- 蟲師完結(読んではない)
あとはその他とか。
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尸良と練造と私~「無限の住人」に思うこと
- 2008-08-22 (金)
- comic
尸良というすごい強くて鬼のように変態な剣客がいます。といっても、実在はしないから安心してください。「無限の住人」という漫画のキャラクターです。それで、練造といういたいけな少年もいます。主人公の女の子が仇と思って殺した造形師の息子、という難しい設定のキャラクターです。
二人とも接点とか何もなくて、練造に至っては5巻(1995年初出)以降血なまぐさい世界に別れを告げたものと思ってたし、尸良もなんだかんだあって右腕に続き左腕もぶった切られて滝つぼに落とされるという壮絶な最期(2001年ごろ初出の11巻)を迎えたと思ったのだった、その二人が、驚いたことに、最近(2007年ごろから)懇ろになってました。いやねんごろって言うとちょっと違うな、なんていうか、今いっしょに暮らしています。愛すべき変態で女好きの作者が、まさか野郎同士をこんなふうにくっつけるとは思わず、私は衝撃のあまり壁に頭をぶつけまくった。その衝撃について、今日は詳細を語りたいと思います。ちなみに、「部屋とワイシャツと私」のメロディで読んでください。
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椎橋寛「ぬらりひょんの孫」がやっぱりエロい件
- 2008-07-08 (火)
- comic
描線がエロい。
いやーいやいや、そんな一言で終わらせられる魅力じゃないやい!! 読み切りのときもそれでハマったのです。描線になんとも言えず艶がある。で、これは今どきのジャンプ作家にそうはない特徴です。はい、今日は「ぬらりひょんの孫」の魅力についておもに描線や画面構成からまとめてみたいと思います。(つーかもう魅力的だってことは前提な!)
まず妖怪まんがとして見てみる。ジャンプで妖怪(ホラー)まんがというと、まあけっこうあるんですよね。幽霊もの怪奇ものも入れると、今思い浮かぶだけでも「アウターゾーン」「地獄先生ぬ~べ~」「World 4u_」「みえるひと」大御所「幽遊白書」もか、さらに幅を広げるなら「切法師」「瞳のカトブレパス」「あっけら貫刃帖」「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」「魔人探偵脳噛ネウロ」、無論「ジョジョの奇妙な冒険」も含まれるでしょう。あ、「シャーマンキング」はどうなのかな、どっちかっつーと冒険活劇か。切法師がありなら「神撫手」とか忘れたけどなんとかミコトとかも?
さて、こういったカテゴライズを試みると、見えてくるのが画面の特徴ではないかと思います。なんつーか、描き込む系が多い。やはりホラーといったらどろどろした黒っぽい画面、真っ白も個人的には怖いですが、読者層を考えるとどろどろが一番です、なので、ここで挙げた作家は4uを除きだいたいにおいて描き込み系。
で、この中でぬらりひょんにもっとも近い「絵」というと、ジョジョだと思うんですよ。妖怪・幽霊の描き方ならぬ~べ~やムヒョロジが挙がりそうなもんなんだけど、ちょっと違うという認識。あれらは「硬い線をたくさん描いて影を作る」というような手法で描き込んでる。カトブレパスやみえるひとも同様だと思います。冨樫先生なんかはそれに加えて「荒くてスピード感のある線」が特徴かな。んで、それらとは違ってて、ぬらりひょんやジョジョは緩急のある線とでも言いましょうか、一本の線が細くなり太くなりして、水墨画のような様相。もっと言うと、その上でジョジョとも違う。ジョジョは完全に作者も慣れて描いているので線に「遊び」がない、ゆえに美しいという状態にまで達していますが、ぬらりひょんは遊びも余裕もあるって感じ。
柔らかくて水墨画のような描線、これが艶だと思うんですよね。やーもうこれ私の憧れる描線でもあるので、すげー細かく語ってしまうな。少女まんがや王道を行く青年まんがではありえない柔和な描線なんですよ。夜リクオの髪や着流しなんてまさに筆(あるいは筆ペン)で描いてる。
ただ、こうした筆主体の柔らかい描写ばかりだと、画面にメリハリがなくなる。ということはつまり、読みにくくなる。分かりにくくなる。おそらくこの手法があまり取られないのは、読みにくさで読者を選んでしまうからなんですよね。ジョジョなんかも「絵で敬遠する」って方は多いと思います。画面が濃すぎて読みにくい。全然ジャンルも雑誌も違いますが黒田硫黄だってそうですね、面相筆オンリーで描いた漫画なんかアフタヌーンじゃないと拾わなかったろう。雑誌違いでいくと最も近い描線と思われる「うしおととら」ですら分かりにくさというのはある。(読むには慣れが必要、でもいいけど)天下の週刊少年ジャンプで、分かりにくい画面は嫌われる。
しかし、ぬらりひょんは違うんですね、その柔らかな「遊び」がきちんと限定されている。昼リクオ、人間の学友、背景、髪や着物に筆を採用する場合でも目や輪郭といったパーツは硬いハッキリした線(といってもGペンだろうな)で描いている、だからギリギリで「読みにくい」ほど柔らかすぎない。これはもう作者の感性の勝利ですけど、すごくバランスが取れてて、本当なら弱点であるはずの柔らかい線が逆に武器になっている。もうここで言っちゃうけど、このバランス感覚が、ジャンプ歴代妖怪まんがの中で群を抜いて上手い(と思うんだ)。
ちなみにどうしてこの柔らかい、あるいは「遊び」のある線が色気であるかというと、ひとつには想像力をかきたてる線だからだと思います。人間は単なる円を見ても何かしらの事物を想像してしまうもの、まんがの絵というのも隅々まで描く必要は本来ならない、規定しすぎない絵のほうが想像の余地がある、チラリズム萌えとまあ似たようなものでして、夜リクオの髪の柔らかい描線を見て、人は「この世のものならぬ」幻、を想像し、夜リクオの持つ力をその向こうに透かして見る。
一方で、柔らかい線には立体感を生むという効果もあります。一般的に濃く太い線のほうが影、重量感を持って見え、反対に細い線は光、これらの対比で太いほうが後ろ・奥側、細い線は手前に見える、これによって立体感が生まれます。妖怪たちが紙面の上に浮き上がって見える、これがもうひとつ。先ほど「読みにくくなる」といったのも、この立体感が無秩序にあると混乱するからですね。
あとはまあ、太い線って迫力があるじゃないですか。一本の線が細いところから始まってじょじょに太くなると、スピード感も出てくる。妖怪のおどろおどろしさって、迫力で見せるとこもあると思うんですね。硬いけれどもこの「線の迫力」が強いのがムヒョロジやネウロかなあと思っています。あれも個性。また、「柔らかい線」は、そのまんま単純に「柔らかさ」をも表します。人間の体というのは、石や木やプラスチックに比べれば基本的に柔らかい、なので、柔らかいもの=人間=エロス、というような結びつけもあります。
一応蛇足。もっとも面白くない見方として、あれは百鬼夜行の絵を模写るとこから始めたら偶然ああなった、という舞台裏もあるのかも。
はい、いろいろ理屈もこねてますけど、私はこういった観点でもって「ぬらりひょんの孫」の描線に色気を感じるというわけです。ほんとはキャラ的カップリング的雪女的なところを死ぬほど強力プッシュしたいのをぐっとこらえて真面目に書いてみた!!
なぜ今さらことさらにこれを語っているのかというと、今週の牛鬼を見つめるリクオ様の顔に完全にノックアウトされたからです。やられた、やられまくり。あんな超然とした色気、私はジャンプで見たことない。いや「瞳のカトブレパス」はある意味同系統の色気があるんだけども、その辺は好みの話でもあって、「ぬらりひょん~」はキャラクターの顔の造作がすごくこう、現代風というか、完成されてるんですよね、そこがまたギャップになってていい。カトブレパスはけっこうブレてたんだよ。という感じで脱線は置いといて。
最後にひとつ。描線以外にも「ぬらりひょん~」の絵の魅力というのがあって、それはけっこう遠慮なく血とか内臓とかを描いてる、この点です。これも色気、というか、これぞ艶というか。
ジャンプは多分青少年保護法とかああいう感じの規制が出てくるのと前後して、差別用語とか残酷描写とか、徹底して排除し出したのね。まあ当然ですね。仮にも未成年、少年向けの雑誌ですから。相当気を遣ってやっている。お色気描写も乳首はシルエットまでとか、しかるべきディフォルメが必要とか、そんな具合ですよね。無論内臓とか言語道断、もってのほかのはずです。まあ人間縦にでも横にでも切られたら腸などすぐ飛び出るんだが、あれだよね、仮に刀で切られても血しぶきが限界? ですよね。ジャンプだと。肉体改造ものもBLEACH程度。重症をおったからといって「グロい」ものは出ない。出さない。
ただ、ぬらりひょんは別で、稀に見る勢いだよね、妖怪だからいいのだろうか、ほんと何故許されているのか、夜リクオがドスを振り回すと血液だけじゃなくてなんか体組織みたいのも飛び散るでしょ? 血だってちゃんと重みのある描き方されてるし。記憶に新しいものでいうと、牛鬼の母親が妖怪に飲み込まれて、そこへ突入した若き日の牛鬼(梅若丸)が母親の首を抱いて妖怪の体を突き破って出てくるとことか、「うしおととら」に匹敵する描写ですよ。一般的なジャンプ読者からしたら多分これはかなりグロい。下手したら苦情くるよ。
という、ある意味やり過ぎっていうくらい描いちゃってる。ジョジョや極論すると男塾なんかは、内臓が出ても平然と死なない人痛がらない人とかいて、残酷さが薄まるわけですけど、うしおととら他なら切られたら死にますよね、ぬらりひょんも妖怪はがんがん死んでる、死ぬ=痛みをちゃんと想像させる。これこそ子どもには刺激が強すぎるとかって苦情の一部ね。しかしな、痛みも感覚のうちなわけよ、別にSMがどうとか言うつもりはないけど、リアルなわけよ痛みというのは、ぬらりひょんに出てくる血って、重くて痛そうなのね、リアルなんですよ。
想像の余地を残しつつ、痛覚がある、私はそういう描写をして「色気」と言っているのであります。
ストーリーに触れるとまだまだというか、昼リクオと高校生活は雪女メインにでもしないとウケないと思うとか、その中にも「雪女の作るごはんは冷えてるけどおいしい」みたいなそれこそ美味しいエピソードをもっと強調すべきとか、夭逝した先代×牛鬼とかどんだけ垂涎のカップリングですかとか、本気で昼リクオと陰陽師はもういいですとか、色々雑感もある中で、今週号(第17話)のリクオ様のご尊顔は本当に麗しく、色気があり、切り取って保存、という滅多にやらないことまでやってしまいましたということです。
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