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生命力を燃やすと声が出なくなる

毎年毎年、よくも飽きずに同人誌を作り続けるものだと思います。そこに意味はあるのか? 我なにゆえに在りや? とメタフィジカルに問い続ける日々が終わりました。日々っつってもすごく短かったですけど今回。去年の夏今年の夏に続き、今回もふり返りを行おうと思います自分自身のために。ちなみにアリストテレスの「タ・メタ・タ・フィジカ」は早口言葉みたいで面白い。実物を読んだことはありません。

スケジュールのふり返り

今回ふり返るほどの時間すらかけられなかったのでざっと反省も交えつつ。

ネームは合計8時間くらい考えてギャグ4枚・ストーリー16枚+5枚、まえがきやあとがき等加えて計28枚ぶんを作りました。内容を考え出したのは11月初旬くらいだったのですが、その後毎週のように結婚式があったり出張してたりして、結局ネームを紙に描き始めたのが12月入ってからでした。しかしながら12月も12月で長距離出張、忘年会などイベントごとが続き、第3週以降使える時間はほとんどないと判明。正直、間に合う気が全然しませんでした。

とりあえず6時間くらいで表紙を描いて入稿。時間がないとき、多色刷りは版を多く作らないといけないぶんが手間なので、デジタル環境ならフルカラーにしたほうがいいと思います。私はもうちょっとグラフィックとかレタッチの勉強したほうがいいなって感じのことも思いました。いい加減自分の作る表紙のセンスのなさには飽きてきた……何年もずっと飽きてるし私は何のために(ループ)

その後、もうだめだと、いったん会社を休んでじっくりスケジュールと向き合おうと、そういう決意をしまして、ネームを眺めながら本文フルデジタルの方針を立ててみたり結局寝たり色々して、結果、ペン入れまでで約2.5日、トーンや写植などの仕上げで1.5日、計4日という驚異的な日数で本文も入稿しました。アリエナーイ。(※宇宙人風に)土日を挟んだので二日間有給です、忙しい時期だったので続々届くメールにびくってなりながら死んだふりを……神様すいません。夏は夏休みってことでけっこう余裕で休暇とれるんだけども、年末のクソ忙しいときに休もうと思ったら計画的に行うしかないというか。まあ休みはするけどその分は前後で働きつくす計画をちゃんと、とか、不良社会人ではあっても筋は通す、筋は通してこそ不良だよね桑原君!!

そういえばWikipediaで「不良行為少年」を調べると面白いのでおすすめです。まとめると、ネーム8時間、ペン入れ2.5日、トーン作業~仕上げ1.5日で、本文28ページの本が出せる、という空恐ろしい作業感を掴んでしまいました。

フルデジタル化に向けて

前はペン入れを紙と鉛筆でやってスキャニング、デジタルでトーンというなんだか非効率的なことをやってたんですが、ついに心が折れたというか、このままでは以下の点が解決できないままだというのがあったのでフルデジタルにチャレンジすることにしました。

今までの難点というのが、「鉛筆主線だとどうしても雑に見える」「ベタがないので画面がぼやっとする」「スキャニングや線画補正が面倒」などです。とくにどうしようかと思っていたのが、「雑に見える」点でした。なんとかしようと頑張ってきたけど、自分の絵柄のせいもあって、味より雑さのほうが際立って見えるという。必死で描いても手抜きみたいに見えるのは悲しいものであります。

さて、それで今回フルデジタルに、と思い、フォトショをなどで試し描きをしていった結果、ペン入れソフトとしてはsaiが一番自分には合ってました。(ぶっちゃけ本作業より試し描きに時間がかかってたのかもしれない)なので、長期間お世話になるしと思ってsaiのライセンス購入して、saiでペン入れ、仕上げをフォトショですることにした。あと、フォトショってほんと「曲線を描く」のにクソ向かないソフトですよね! 生粋のドローソフトじゃないから当たり前だけど!!

saiでペン入れする

よし主線~ベタくらいまでsaiでやるぞと思い、だいたい次のような手順で作業してました。1.フォトショで原稿用紙のテンプレを作る(トンボや同人誌用原稿用紙によくあるあたり線みたいなのも引いておく)、2.フォトショで大まかにコマを割って枠線を引く、3.saiに移って好きな色で下描き、4.別レイヤを作ってペン入れ(フキダシ線・小さめのベタまで)、5.作業をフォトショに戻して不要レイヤを削除・グレスケ化・トーン・写植・微調整、6.ノンブル入れて仕上げ

saiとフォトショを行き来するとメモリ使用量がかなり半端ないことになるので、マシンのスペックをもうちょい上げたいなと久しぶりに思いましたけど、途中でかたまったり落ちたりするようなことがなかったのは幸運というかさすが上等なコアとメモリ積んでおいただけある。まあ最初からグレスケで作業するのが一番いいんだろうけど、下描きがグレー線だとペン入れするとき目が疲れる気がしたのであります。というかフルデジタル作業すごく目が疲れる。目が、目が疲れる!!

それはさておきsaiを絶賛したいと思いますが、その理由は、かなり優秀な手ぶれ補正機能がついてることです。これがすごい。私はアナログでペン入れするときもすごくペン先がぶれやすい人間で、滑らかな線を描く練習とかも頑張ってみたけど全然ダメで、とくに大きな決めゴマを描くとかっこ悪いという悩みがあったのですが、saiでこれがかなり解消されました。今まで紙と鉛筆が一番描きやすいと思ってたのを訂正したいくらい、saiはすごかったです。慣れるまで不安ではあったものの、なんかもう紙と鉛筆には戻れない気分くらいにはなっています。

ちなみにペン入れレイヤは使ってなくて、普通のレイヤで描いています。私はもともと変に耽美なところのある絵柄なのでベクタ的な線が向かないのであり、従ってアニメ絵のような主線を引けることが売りのペン入れレイヤは使う必要がありませんでした。あと使ってるツールも鉛筆ツールと消しゴムくらいです。筆圧感知も優秀なので、手ぶれ補正を40くらいまで上げて(上げすぎると重くなるのと意図的なぶれが起きなくなる)筆ペンのように使っていたという感じ。アナログ時代のペン入れ、全面ベタとかはマッキー一本使い尽くす勢いでシンナー臭にやられてたけど、今全面ベタとかボタンひとつだぜ……ペン先の太さも1px単位で自由自在だし、拡大縮小も思いのまま、なんという時代の進化……今さらながら感動しました。

ベタの強さ

主線によって黒と白のコントラストがはっきりしてると、トーンも写植も映えるように思います。これまで鉛筆主線をなんとか加工して塗り足したり色々してましたけど、主線がきっぱりした黒一色になっただけで、引き締まり感がすごくよくなりました。そうすると、トーンで無茶をしなくてもよくなった。主線の塗り足しはもちろん、髪も先端をベタ処理にするとゆるーくトーン入れれば十分で、今まで1時間近くかかっていた作業が今回半分くらいで済みました。(まあ背景が少ない顔まんがのせいもあるけど)

で、なんだろ、昔の(というかアナログの)自分の絵柄に近い感じに戻ってるな、とちょっと思ったのでした。ここが背景全面ベタで、とか、ここの主線は回想だから細くてここは太く、とか、アナログのときと同じような考え方で画面をとらえられるようになってるのだと思います。(すごい自分大好きなきもい分析だけど……)なので、なんでしょうね、安定感があるなと思いました。フルデジタルにすると逆にアナログ的な感覚が戻ってくるという、不思議な発見です。というか多分、同人誌とはいえ漫画という表現に、「鉛筆主線のデジタルトーン」が合ってなかったんじゃないかなーと漠然と思いました。

内容などのふり返り

内容はもういつも通りの反省でもっとネーム頑張れというか分かりやすいものを描いたほうがいいのにとか、とりあえずお前展開がありきたりなんだよバーカとか自分いじめに熱中できるくらいにはダメだと思うのですが、ギャグと5ページの短編は珍しくなんとなく気に入っています。ギャグだとオリジナリティがストレートに出せるというか。私がストーリーまんがを描くと、BLっぽくしなきゃとか、エロ入れなきゃとかやっぱり意識して、どうしても「おそらく本当に描きたい部分」と「お約束として描きたい部分」が気持ち悪い具合に分離してしまうんじゃないだろうか。とか。短編が得意なのもBLを入れなくてもそれなりに成立するからのような気がするなあ……ただそれだけでは原作ありきの二次創作同人誌をやる面白みが減ってしまうので、結局「読みたい話」を優先して描くってことに、おおぅだめだ、もう分析とか面倒くさくなってきました、まあそんな感じです。(世にも珍しい文中で投げる日記)

一度短編の連作みたいなのを漫画でやってみようかな、というのが今の気持ちです。もしかしたら何か発見があるかも。

最終的に、四日間引きこもって一日一食くらいの生活を続けたら最盛期から比べて4kgくらい体重が減って、寒くて仕方ないし栄養不足から口内炎の時間差多発とかコンビニでめっちゃ小さい声しか出せなくてびっくりしたりとか、色々あったけど、フルデジタルにしたらゴミもネームぶんしか出なくてエコだ、とてもエコです。全身でエコを表現しながらの原稿期間でした。お正月があるので体重はすぐリバウンドすると思います。にんにん。

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