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もう一息

漫画に超癒されるーと思ったら案外鋼アニメ、師匠の回はよかったですね。(作画ひどかったけど)無人島で二人がはじめて兎を殺すシーンとかじんわりきてしまいました。涙浮かんだ。こういう健全な泣きどころは旧作にはほとんどなかった。(でも作画ひどかったけど)(大事なので二回言ってみました)

えっと先日友人たちと見た「幼獣マメシバ」が実は死ぬほどお気に入りで、だいたい主演が天才だし、そりゃなおずみの出演シーンとEDは不覚にもくすくすしてしまったのですが、脚本も演出もすごくいい。渋谷まで行かなくともチャリで行ける映画館でやってたんだ、というのを後から知りまして、もう一回見たいくらいに思っているところ。一言であらすじを言うと「引きこもり中年ニートが小さい柴犬と出会い、やがてアルゼンチンまで行く話し」です。その日ふつか酔いで死んでいた私の心にしみわたる素晴らしい映画でした。

そんで、友人たちがみんな夏コミ前で焦っていて自分も含め会話が止まりまくりだったのが面白かった……! というか今も焦りは最高潮なんですけど。「卵焼きがうまく巻けたら嬉しい」とかアホか!! いやお弁当はちゃんと週3日以上作って行ってるんですけど。なんかストレスでお弁当+スナック菓子とか食ってるのでお肌もいい具合にぼろぼろです。常時睡眠不足です。今日とかピヨピヨたち相手にしてる最中に一瞬落ちてた。もうあとちょっとなんですけど、残り少なくなってくるとホラ、飲み会とかも断りきれなくて、家のこととかもたまってて、原稿用紙を誤って踏みまくる毎日である。

で、どんなに疲れてても漫画だけは読めるので、せめて漫画いっぱいインプットしとこうと思って、清水玲子の「秘密」を皮切りにまた読みまくり。「秘密」はアレだねー、薪さんが本気で青木を好きっぽいと判明する4巻か5巻から呼吸困難になりそうでした。清水玲子を野放しにしたらこうなるんですね……! たぶん薪さんが目隠しされてるときの相手の人、男だと思う。まあ「輝夜姫」がスタートはあんなに面白かったのに終盤でロリコンの話になってたあたり、これはこれはとか思ってたんですけど。(「月の子」以前はどれも好きだぞ、というか私は意外と白泉社っ子)

BLでは国枝彩香熱がまた上がっていて、「いつか雨が降るように」「夏時間」の二作を読んだ。どっちもバッドエンド系が多くて大変に好みです。並み居るBL漫画の中でいちばん人が死んでるんじゃないかと思う。そんで初期の木原音瀬にちょっと似てる気がする。(木原はそれほど死なないですけど)国枝彩香はバッドエンドもギャグもたぶん同じような照れ隠しの上に描いてる感があって、そういう意味ではカーラ教授にも似てるんですけど、ただ編集さんに「その中間でお願いします」と言われて本当にその中間あたりで「未来の記憶 風の行方」とか描いてしまうからすごい。

続いてBLでは、ミエノサオリ「花影の記憶」読んだんですけど、ちょっと失敗。いや絵はすごくいいんですよ、すごくきれい。でも私の好みではなかったです。(参考までに)さらにSHOOWAの「向日性のとびら」ですね、これはよかったですね。話はミステリーというには少し無理があるんだけど、BLというジャンル的に見ると十分練られてる感じ。ある意味英田サキのデッドシリーズよりミステリしてると思います。あと絵がいい。絵が超好み。みんな美形だけど素晴らしく描き分けられてて、かつ私好みの美青年が出てくる。(主人公サイドの受けの子ではありません)常時趣味でヅラをかぶっててくちびるの斜め下にほくろのある子。超好み。

そして最大のホモというか、私にとって十分禁忌と言える作品なんですけど、手塚治虫の「MW」。小さい頃に読んで怖すぎて記憶の中でほとんど封印されてたんですが、映画化記念ということで買って読み直しました。ひどかった!! というよりこれ映画化したらだめじゃないですか。(素の顔)キャストとかあらすじ見る限り、原作とはかなり違うみたいなんでそれもそれで心配ですけど、いやマジで。

なんかもう言い尽くされてると思うけど手塚治虫って実は暗い話の名手で、80年代サブカルグロ代表選手である山野一なんかはグロくて最悪なわりに底が抜けてるじゃないですか、キショ楽観的なのな、でも手塚治虫はとことんダークでさ、戦争ものとかいまだにトラウマ、一切救いがない。ただの人間がふつうにグロい。で、そういう感じの話は大人向けでかつ短編が多いんですけど、微妙に娯楽に歩み寄ってドラマ性もまあ兼ね備えられてるダーク方面の中編傑作が「MW」なの。

タイトルはManとWomanの頭文字だと言われています。主人公の人、映画だと玉木がやるっぽいあの人、公然とバイ。でも本命は男。現代のBLよろしく、本命である牧師の男(映画だと山田孝之なんですが、原作はゴツくてまゆ毛太い)の想い人とか平気でやっちゃう。犬に組み敷かれてるシーンとかありますしね、でもって、とくにその、美少年てわけではないんですよ。顔はきれいなんだけど不自然。昭和くさいでかいパンツはいてるからとか紳士肌着の襟首ってそんなに開いてたっけとかそういう時代的な不自然さではなくて、あれだけキャラの描き分けうまい手塚まんがなのにコマごとに顔が全然違って見えたりするとこがぞわっとします。

当然のようにバッドエンドだしね。(微妙に「W3」とまざって覚えてたけど思い出した)しかもなんか手ごたえがやたら軽いバッドエンド。世に出して大丈夫だったのかとすら思うんですけども。こういうエンディングは似た系統で萩尾望都も描いてて、そこまで有名じゃない「アロイス」って短編なんですけど、ちょっと星新一的な。とかもう私が解説っぽいこと書くのそろそろおこがましいしやめよう……。とにかく「MW」はやばいので、映画も本気怖いもの見たさが勝ってるので、いやはや。怖い。オサムシ怖い。

しかし不思議なのは、手塚治虫って物語中でも一見ホモフォビアを批判してるんだけど、それが微妙に何かの裏返しっぽいとこ。背筋にくるわー。

そして一転して青年向けで村上かつらの短編集も二本読みました。ふつうに面白かったし癒された。初期のひぐちアサと似てるなんて言われるみたいですけど、ひぐちアサよりかはよっぽど健全だと思う。なんの差なんだろこれ……「ヤサシイワタシ」の追い詰められ感とはやっぱり全然違う。(どっちもおススメはしませんが)

というわけでおお振り新刊における泉カッコイイコールはひとまず置いておいて、あと一息乗り切りたい。乗り切ってもまだなんか合宿みたいのあるけど。ほんととりあえず目前のことから。

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