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2008夏コミ原稿悲喜こもごも

あー結局また有給使って仕上げた……夏コミ原稿。仕事に影響出ないようにするのに今回はちょっと苦労したな。今ちょうどいいバランスで仕事があるので(ほんと一時は死ぬかと思うほどぬるかったけど)、振り分けたりいろいろした。なんか作業をこなしてく過程はパズルゲーム的で面白いんですよね。眠くならないし。どうにもこうでなくっちゃね。

なんて言いつつ、今回はけっこう追い詰められて、その原因は直接的にはやや長めの話を描いてたからなんだけど、スケジュールに関する反省と技術的な反省とあとゲイビデオとBLについてなどR指定雑じりで書いておくので以降適宜情報にフィルターをかけながらどうぞ。

スケジュールの俯瞰

毎回反省でやってるんですが、毎回反省が活かされない、これ以上ないというほど不毛な反省ですが、一人反省会って楽しいよね!

  • 7/7 かなりなんとなくネタ出し開始
  • 7/14 ネーム着手
  • 7/20 ネーム終了→ペン入れへ
  • 7/27 ペン入れ終了→トーン作業へ
  • 7/30 トーン作業終了、台割・ノンブル入れ・写植見直しなど
  • 7/30深夜というか7/31(〆切当日)明け方入稿完了

およそ一ヶ月で、これはいつも通りの感じなのですが、いろいろ反省すべきことはある。もっともイレギュラーな事態としては量的に自分の限界へ挑んだ点。(漫画はすぐ力尽きて30ページ以下のが多いので)しかしこれは逆に長く描けるようになりたいと願ってやった部分でもあるので良しとして、その他の反省。

  • 少なくとも1ヶ月半前には印刷所別〆切をチェックすべき
  • とくに予約が必要な印刷所を利用する場合は注意
  • できれば紙見本一覧を取り寄せておくくらいの余裕欲しい(特殊紙好き)
  • デジタル作業手順の効率化
  • 資料はどこにしまったかちゃんと覚えておくこと
  • 栄養を摂取しよう

つーか各印刷所が大手イベントだけでもいいから〆切をxmlかなんかで配信してくれたら、横断検索可能な〆切一覧表あるいはGoogleカレンダー的なガジェットを作るのに……あったら絶対便利だよね。タスク管理ツールさ。あ、今一瞬閃きかけたぞ、このアイディア、これしばらくあっためよう。反響ないだろうけどな! なかなかやはり、技術というのは平等には浸透しない、というより、印刷所様がサイトで情報提供してくれるだけでも奇跡的なんよね、一昔前に比べたら。

デジタル作業の効率化まとめ

あとデジタル作業の効率化はすごい考えちゃったな。アクションひとつ作るだけでかなり違うもの。時間がなくなると追い詰められた状態でやっつけでアクション作っちゃって何度も失敗する、みたいなこともありましたから、ネームと並行くらいの勢いでアクションは作ったほうがいいって感じの結論ですね。暇なときに。自分の性格では暇なときはやらない気がするけどな。

で、とくに自分に合ってた手法をメモ。環境はWin+Photoshop(CS2)オンリー。

  • ハーフトーン化プラグイン(フィルタとして使う)の導入

→特定レイヤだけハーフトーンにするのはアクション利用してもけっこうめんどいので、プラグイン探してインストールしました。らくらく。これなら別ファイルに置きかえたりコピペしたりする作業もなく、クリックひとつでハーフトーン化できる。

  • 紙は漫画同人誌用原稿用紙(トンボ・補助目盛付きのもの)利用
  • 青鉛筆で下書き、カラーでスキャン後消してグレスケ化、線画を複製して薄さを補正
  • ガイド→選択範囲→境界線を描く、で枠線を別レイヤに描画
  • 同じ選択範囲を反転させて適宜マイナスかけつつ、要らん線一気に削除
  • フキダシの中身を自動選択ツールで選択できるようにガイドを利用して補正
  • フキダシ選択して別レイヤの枠線の不要部分削除
  • 枠線内選択からフキダシをマイナスしておいて色塗り開始

→ここら辺のやり方を確立してからは作業時間が1枚あたり3分の2くらいまで短縮できたんだよな……とくに色塗りではみ出した とこちょこちょこ消したり、はみ出しを恐れて遅くなったり、というのは基本的に丁寧な絵柄じゃない私にとっては無駄でしかなかったもんなー。不要線削除とかも手動でやるよか選択範囲作っちゃったほうが早い。しかもマスクモードじゃなくて本気で選択範囲のみでやる。これはマスクモード(選択範囲保存)とかにすると最後のチャンネル削除を忘れそうになるから。

ので、予め「色を塗る範囲」だけ選択してしまうほうが楽で、それは枠線内-フキダシ部分ってのが発見だった。選択範囲のマイナスはWinでPhotoshopだとAltキー押しながらやります。Shiftキーにするとプラス。Ctrlで切り取り。枠線内に描いてないコマはなげなわツールで大雑把に囲って地道にやる感じ。ほんとアニメ塗りができるぱきっとした絵柄ならなーと何度も悩むのですが、そうするとペン入れに倍以上時間がかかっちゃうので……手癖って困りますよね。

  • 色塗りはレイヤを惜しまず重ねて濃い色から
  • 写植はコミック体だと自分の場合浮くので明朝の濃い目のやつ
  • 画像を統合→トンボ入れ→名前をつけて保存、まではアクション必須

→トンボはなしでいいって印刷所も塗り足し部分は必要ですから、そこらへんまとめてできるようなアクションを。作ってから大活躍でした。あと濃い色から塗るのは一番緊張するというか、そこが入ると絵のバランスを見られるから。見ても直さんけど。

  • ノンブルは別ファイルに全部打っておいてあとから貼る

→これね、今までは毎回開いたファイルに文字ツールで打っていってたんですけど、Photoshopの文字ツールってCSになってもなお貧弱、だから位置やフォントや大きさを毎回選択するとかして時間の無駄なので、別ファイルに作ります。適当にフォントと文字の大きさ決めて01から必要なだけ作っておいてラスタライズ、切り取って使う。ノンブル打つ側のファイルは開いてガイドを定位置に入れておき、あとはベタと重なるような部分を避けて貼る。

最後に作画の課題ですけど、鉛筆画の上にトーンを貼ったような、鉛筆描きコピ本でありそうな感じの作画ですね、あれを目指して線画及び台詞等はグレースケールの柔らかい線・影やベタはハーフトーン(いったん二値化したものをグレースケールに戻して利用)を重ねる、といったやり方をしてるんだけど、それだと線とハーフトーンレイヤの重なってる部分はよーく見るとモアレっぽくなる。二値化したものをグレースケールに戻した時点でアンチエイリアスがかかりますから、その非常に細かい網点が線画の網点とマッチしないんだろな。よーく見ないと分かんないので割り切りですが、本来は鉛筆画でもちゃんとディザで二値化して真っ黒にしないとな……マジで今後の課題です。

さらにもう少しできるかもしれない、と思ったけどやらなかったものに、モノクロ作業用ブラシセット作りとかがあるな……。600dpiで作業というのがPhotoshopからしたら若干規格外みたいで、適合するブラシがデフォルトにはあんまりない、毎回ブラシ選択して大きさ変えるのも面倒だからなー。服の柄に使えそうなブラシ作っとくとかも。デフォルトのブラシがぼかし入りまくりなのも使いづらいんですよね、次はやるか。

反省点のまとめ

で、総合的にご飯を食べるのが面倒になるほど追い込まれるな、というのが自分へのメッセージです。ペン入れからこっち2~3キロ落ちた計算になるんですが、運動とかで健康的に減らしたわけではないので、バテてしまってよくなかった。痩せるのはまあ嬉しいけど、夏だし、でも食べずに痩せるのは単にやつれた感じになってシワが増えそう。(←年齢的に大問題)最後の数日はスーパーで安いおにぎりを買いだめしてお腹すいたら1個食べて数時間やる、とかそんな自分の体用のエネルギーが自転車操業みたいな。コーヒーはブラックのペットボトルからがんがん飲んでました。自業自得やけど肌めっちゃ荒れたわい!! 

あ、でも脱線するけどファンデーション抜きでメイクするようにしたら午後になってもテカりにくいよ。やっぱり平日のメイクは塗るんじゃなくて補うって感じで考えたほうがいいんだろうなあ。いいっていうのは、健康な肌が長持ちする、という意味で。パーティ用とかはまた別ですね。

ゲイとBL

さてデッサン資料にと思って海外のゲイもの(正確に言うとニューハーフの方が受け/ネコ、という感じのとか)を見たりするのですが、検索してたら日本のレーベルも引っかかってきたので色々見てて、そんでもうかなりびっくりしたのには、最近の美少年ものというか、「かわいい系」みたいなジャンルの増加です。既におなじみって方は今さらビックリしてる人の話なのでスルーの方向で。

いやー「BLは好きだけどゲイって意味ではないの!」というのはもしかしてもう古いのか……? だってこれ昔のそういう認識って、おそらくは的を射つつも間違った「ゲイ」に対するイメージからきてたものだったと思うんですよ。見た目がジャニーズ系(?)とかわりとこうストイックな感じの男の子どうしが絡んでたら意外とあんまし違和感ないんじゃない? とかって思ってつい「人間・失格~たとえばぼくが死んだら」とかいう昔の問題ドラマを調べたりしました。(変な徹底やめろ!)

うーむ何度も言うけど(三次元も全然OKな私はともかくとして)一般女性の感覚としては三次元はダメ寄りだと考えていた、しかし、これやっぱ今、世界が追いついてきてない? 女性に。いやむしろ成人女性向け市場の拡大に伴って、ひそかにターゲット化されてる気がする。

まあ男性向けにおける百合とレズものの関係性と比べると、女性向けにおけるBLとゲイってそれでもかなりの差はあると思うけど……。

まあ男女問わず二次元の性的な何かを見るのは気持ち悪いとか、その逆とか、そんなのはいろいろあって当然だろうから、BLCDもBLゲームもOKだけどゲイビデオはダメって人もいるだろうし逆もいるだろうけど(昔はオリジナル全般無理って向きもあったと思うな)、そういう意味で美少年ばっかり登場するゲイビデオはコンセプト的にはBLと何ら変わりない気がしたのよね……しつこいけど衝撃的でした。昔も私好奇心旺盛だったので、一応検索とかしてみたことあるんだけど、筋骨隆々とした男性どうしの絡みが多くて、あらあらと思った記憶があるんですよ。それはもう古風なイメージどおりのゲイの世界だったわけですね。でも今全然違う、そういうもんなのか既に!

そんな感じで、遅いかもしれんけど驚きとともについ調べた感じでは、BLっぽくて女性にも人気、みたいなうたい文句のレーベルも確かにいくつかありましたね。BL映画が普通の映画館で上映されるご時勢ですからそんくらい探せばあるだろう、くらいのもんかもしれんけど、やーでもこれAVですからね、がっつりやっとるからね、そんでなんか、動画に関して私そんなに詳しくないとはいえ普通よりは若干ノーマルのAVも見たことあるほうだと思うんですけど、男性向けのゲイビデオって、どう言えばいいのか、とても優しげですね。表情とかが。それがすごい不思議で妙に印象に残った。

たとえばSMとか企画もので無理やりとか(本気で性犯罪を問題視しているので直接表現は避けますが)、女性が蹂躙されるものとは違う感じ、うまいこと説明できんけど、いや、むしろノーマルだけじゃなくBLでもすっごい酷いのあるじゃないですか、ものすごく苦しそうとか痛そうとか、リアルでこれ泣いとるんちゃうかとか、すげえ心配になるやつがたまにある、あっそれで言うとレズ向けもけっこう優しい感じなんだよなー、BLとか百合とかそういう記号化された萌えじゃなく、ああ分かった、同性愛者って表現者としてとても優しいんじゃないかなって今思いました。藤野千夜の「夏の約束」を読んだときの感じとちょっとだけ似てる。(※藤野千夜はトランスジェンダーとして話題になった作家ですが、夏の約束はゲイの話だった)

これって不器用な異性愛者から出てくる優しさとはまた異質な優しさなんだよな……。まあBLの表現者は女性が圧倒的多数で、よしながふみの言を借りると時おり「世間一般の言う“恋愛”なる宗教にハマれなかった私たち」という文脈で登場するホモ好き女子ですけど、だからといって男性を好きにならないわけではない。BL自体がファンタジーとはいえ男性しか出てこない恋愛ものだもの。けどその比じゃないんだろうな……私なんかが想像するに余りあるような世界ではあろうと、思ったりしつつ。しかし男のああいった色気には女では到底勝てないと思ったな、並の美人などお呼びでなかろう。なんか、なんだろね、私はどのみち自分の性抜きで、つまり完全に100%男女どちらでもない視点なんか持てないって意味で女性だからそう思うのかなあ。

そう、だからまあ嫌そうな演技も含めてみんな楽しそうだなーいいなーみんなちんこついてて、というようなプリミティブな思いに一瞬駆られたんですよね、なんか私もちょっと頭がおかしいですけどね、生まれ変わったら美少年になりたいなーなんて誰しもそんなのたまに思うか。美少女もそりゃ捨てがたいですけど。

そんで三次元で見るとまあ企画ものとはいえ現象としていろいろ発見があるものだ。BLは記号化されたエロであっていいはずなんだけど、そこにどうこだわっていくかは自由だー! と私は思うし、そこはまあ若干バイの自覚のある自分に書けるものを探す中で何か、足しになりそうだな。ってゲイのAV見て何をノスタルジックに語ってんねんって感じで本気で怒られそうな気もします、申し訳ない、私どう足掻いても今生でゲイにだけはなれないんだ、かわりに子どもを生める(可能性がある)けどね! それってけっこうやっぱ、深いよね、フツーのAV見てあーあーもーとか思うのとはまったく違う感慨でした。ぶっちゃけサンプルだけじゃなく一本くらい買ってみたいものだけど、さすがに辛いな……値段もノーマルより俄然高いし。

まあ私はライトな感じで語ったけど間違っても親とか友だちとかと一緒に見ないようにな。気まずさはBLCDの比じゃないからな。

ってな感じで、原稿終わったどー。

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